「ないよね」
ある日、久保はぼそっと言いました。宗像や宮若にはあり、古賀にはない。オーガニックを拡げていこうとしているのに、ないのはどうなのか?
オーガニックといえば知る人ぞ知るマニアのためのもの。そんなイメージを取りのぞいて、オーガニックをもっと一般化していく。
「ゆりかごから墓場まで」オーガニックが当たり前の生活を
そんなことを考えている「ひふみ」にとって、これがないのはどうなんだろう?
「ないよね。じゃあつくろう」
ということで始まったのが「日本酒プロジェクト」です。
なんで日本酒?
オーガニックというと、どんなイメージがあるでしょう?
- 興味はあるけど高そう
- 健康的だけど味が薄そう
- 農薬を使わないから虫がついている
- 市場に出回っていない
- 地味で見た目が良くない
- ヴィーガンの人が食べるもの
- 難易度が高く手が出せない
- 地球に優しいというイメージはあるが、実際は分からない
- 特別な人が食べるもの
- 普段の食事からは外れたもの
など、なんかとっつきにくいイメージがつきまとっています。
オーガニックを追求している人のなかには、他人の家の冷蔵庫をあけて、変なものが入ってたら説教する人がいるなんて都市伝説もあり、変人がやっている奇妙な行動なんてイメージを持っている人もいます。
たしかにオーガニックな生活にこだわると、いろいろ大変です。
- 外食ができない
- 友人や家族との食事があわない
- 食事がマンネリ気味
- スーパーで買い物できない
など、いわゆる一般的な生活が不便になることもあります。
だけど、僕たちの体は食べたもので出来ています。
一生つきあう自分の体
誰がケアするんでしょう?
そんな自分の体をケアするために、少しで構わないのでオーガニックなモノに興味を持ってもらいたい。
ゆりかごから墓場まで
オーガニックなモノ・コトを
そんな生き方を根づかせたい我々は、一人でも多くの人にオーガニックを知ってもらうことを望んでいるわけです。
そう思い、呑兵衛だらけの日土水むらは日本酒プロジェクトを立ち上げました。
というのは建前で、
「自分たちが作った米でつくったお酒をしこたま飲みたい」
という至極単純なおもいから日本酒プロジェクトがはじまりました。
で、ついでに今までオーガニックに興味のなかった人たちがオーガニックに興味を持ってもらえればと願っています。
宗像の「宗像日本酒プロジェクト」のように古賀で作ったお米で、古賀でお酒をつくり、古賀で売る、飲む。
そんな古賀にこだわったお酒をつくるため、古賀に住む呑兵衛が集まりはじまったのが日土水むらの日本酒プロジェクトです。
プロジェクトがはじまるまで
ということで日土水むらの日本酒プロジェクトは始まったわけですが、肝心のアレを準備するとこから考える必要がありました。なにかというと、
米
です。そう、今までの話は久保の頭だけにあり、一緒に飲んでた「ささやん」くらいしか知っている人はいなかったわけです。
アイデアをふくらませ人に話をして、周りをその気にさせるまでが仕事の久保には、どうやって米を調達するかについては、ほぼノーアイデアでした。
そのアイデアを実現するために、ささやんが動きはじめました。
酒をつくるために必要な米300kg。日本酒用のお米「山田錦」をどこで手に入れ、どうやって栽培するか、どこで栽培するか。
あれこれとささやんは考え、自分がお米をつくっている田んぼの地主さんに話を持っていきました。
答えは「No」
それもそのはず、お米を一品種を育てるのも大変なのに、さらにもう一品種を育てる。
苗作りから脱穀まで、お米がまざらないようにするのって、まあ大変なわけです。
「どうする? 今年は宗像からお米をもってきて作るか」
と次のアイデアにうつすまえに、もう一度ささやんは地主さんにお願いに行きました。
「やっぱりやりたい。自分たちで作ったお米でオーガニックな日本酒をつくりたい。そのお酒を飲んだ人の喜ぶ顔が見たいんだ。この活動でオーガニックを世の中にもっと受け容れられるようにしたい」
そんな久保のアツい想いがささやんを動かしました。
「お願いします。やらせてください。栽培から脱穀まで、地主さんには迷惑がかからないよう、我々でやります!」
BGMに中島みゆきさんの地上の星がながれてそうな熱意で、ささやんは地主さんにお願いをしました。
かえってきた答えは「Yes」
BGMがスガシカオ(kokua)のProgressに変わり、最初の関門お米の調達はめどが立ちました。
古賀のオーガニック地酒「日土水(仮)」を世の中に。はじめの一歩をふみだしました。
はじまってから
ということで、この記事を書いているのが6月の中旬すぎ。
ようやく田植えが終わり、これからタニシとの戦いから共存へうつり、田んぼに住む様々な生き物たちとの共同作業で米を育てていきます。
どんなお米が育つのか
というか、ちゃんと育つのか
ドギマギしながら収穫までの約3ヶ月。これから何度も地上の星とprogressを聴きながら、活動をつづけ日本酒をつくっていきます。
お酒好きなかた、お楽しみに。
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ギャラリー
田植えまで
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